患部に水疱を伴う、口唇ヘルペスや性器ヘルペスは
治癒しても再発を繰り返す、大変厄介な特徴を持っています。
両者とも命に関わる病ではありませんが、現代医学でも
原因となる単純ヘルペスウイルスを取り除く事は難しく
一度感染してしまうと、一生付き合っていかなければなりません。
口唇ヘルペスも性器ヘルペスも疲労やストレスなどによる
免疫力の低下が原因で発症しますが
再発の頻度は年間どれくらいが一般的なのでしょうか?
今回は口唇ヘルペスとGH(Genital Herpes)こと性器ヘルペスの再発頻度について
それぞれの治療法や予防法を交えて紹介してみます。
口唇ヘルペスの再発頻度
口唇ヘルペスは日本人の10人に1人が経験したことがあるとされ
主に疲労・発熱・睡眠不足・ストレス・月経・紫外線・寒風などが
再発の引き金となります。
口唇ヘルペスは神経節に潜伏感染している
単純ヘルペスウイルス1型が活性化することで発症しますが
初感染から1年以内に2割程度の方が再発し
成人してからの初感染は症状が重篤化する傾向にあります
また、感染後はウイルスに対する免疫が出来るため
再発を繰り返すごとに症状が軽くなっていきます。
口唇ヘルペスの再発頻度は年に2回が最も多く全体の25%を占め
紫外線の強い夏場と風邪の流行る冬場に集中しています
その他では、年に1回程度が15%、2~3年に1回が30%となり
年に3回以上再発する方も15%と意外に高い割合で存在します。
口唇ヘルペスの治療と予防
口唇ヘルペスの再発治療には、アクチビア軟膏やアラセナSクリームなど
軟膏タイプやクリームタイプのヘルペス市販薬を使うのが一般的で
最寄の薬局で購入することが出来ます。
これらのヘルペス市販薬は第一類医薬品に属しており
用途も口唇ヘルペスの再発時に限定されています
購入時には薬剤師のチェックがあり、幾つかの質問を受けますが
初めての場合は、以下の記事を参考にして準備を整えておきましょう。
ヘルペス市販薬は治療だけでなく予防にも役立ち
患部に違和感があったり、発症の前兆を感じた時に
前もって塗布すると症状が軽く済みます。
前項で口唇ヘルペスの再発頻度は年に2回が最も多く
それ以下の頻度も含めると全体の70%近くが半年に一回
またはそれ以下の回数しか再発していない事がわかりましたが
これらのヘルペス市販薬は一度開封してしまうと
半年で使い切らないと薬効が落ちてしまうので
再発頻度が半年に1回程度、またはそれ以下の方は
ケチって使わずに、1回の再発で2g入りのチューブを
全て使い切ったほうが良いです。
次回の再発に備えて残りを半年以上保存するのは無意味なので
未開封品を最低一つは常備しておくのが得策でしょうか。
口唇ヘルペスの場合、治療はヘルペス市販薬で十分ですが
予防に力を入れたい場合はリジンサプリメントが有効で
正しく摂取し、再発の引き金となる行為に注意を払えば
高確率で口唇ヘルペスの再発を予防できます。
性器ヘルペス(GH)の再発頻度
性器ヘルペス(GH)は日本人では2~10%が感染しており
神経節に潜伏感染している単純ヘルペスウイルス2型が原因で発症します。
再発の引き金となる行為は単純ヘルペスウイルス1型が原因の
口唇ヘルペスと共通していて、こちらも
疲労・発熱・睡眠不足・ストレス・月経・紫外線・寒風などが
再発の引き金となりますが、加えて
他の性感染症や過度な飲酒、性行為による皮膚や粘膜の損傷も引き金になります。
以前は上半身に症状が出るものを単純ヘルペスウイルス1型
下半身に症状が出るものを単純ヘルペスウイルス2型と区別していましたが
オーラルセックス(口による性行為)による二次感染が増えたことより
現在では区別が曖昧になっています。
単純ヘルペスウイルス2型が原因の性器へルペスは再発頻度が高いことが知られ
初感染から1年以内に8割が再発し、口唇ヘルペスと同様に
再発を繰り返すと症状が軽くなっていく傾向にあります。
性器ヘルペスの再発頻度も年に2回が最も多く全体の20%近くを占め
その点は口唇ヘルペスと似通っていますが
年に3回以上再発する方は40%に上り
その中には、年に10回以上再発する重篤な方も5%ほど含まれています。
因みに性器ヘルペスは年齢が上がるほど有病率が高くなり
若者よりも中高年に多くみられます
加齢による免疫力の低下で何年も前に感染したウイルスが活性化し
時間差で発症することも珍しくありません。
性器ヘルペス(GH)の治療と予防
残念な事に口唇ヘルペスと違い、日本国内では
性器ヘルペスに効果のある市販薬は販売されていません。
初感染か再発かに関わらず、症状が出た場合は病院で診察を受け
薬を処方してもらう必要があるのですが
早期治療で症状を大幅に緩和できるへルペス治療では適切な方法とは言えず
再発の度に対応が遅れ、デリケートな部分に水疱の傷あとが残ってしまいます。
性器ヘルペスの予防方法として、口唇ヘルペスと同様に
リジンサプリメントの摂取が有効ですが
性器ヘルペスの再発頻度が高い方や症状を早期に緩和したい方は
バルトレックス・ゾビラックス・ファムビルなどの
ヘルペス内服薬を活用しましょう。
参照元:グラクソ・スミスクライン
前述の通り、日本国内では市販されていないので
海外の薬を並行輸入し、自己責任で服用することになりますが
安全に購入できる代行業者が複数存在しているので
入手のハードルはそれほど高くはありません。
病院では5日分しか処方されないヘルペス内服薬と同じ成分の薬が
処方薬よりも安価で手に入りますし、毎日の予防にも使える利点があります。
有名処ではバルトレックス・ゾビラックス・ファムビルの3種類があり
ゾビラックスは一日5錠と使い勝手が悪いですし
ファムビルは安価なジェネリックが無い上に予防投与が認められていないので
選ぶならバラシクロビルを主成分とするバルトレックス(valtrex)か
そのジェネリックにあたるバルシビル(valcivir)が良いでしょう。
500mgと1000mgの2種類がありますが、予防がメインなら前者
治療がメインなら後者の方が使い勝手が良さそうです。
これらのヘルペス内服薬は当然ながら口唇ヘルペスにも高い効果があるので
外用薬のヘルペス市販薬やリジンサプリメントでの予防に不満を
感じている方も試してみる価値があります。
[バルトレックスジェネリック]バルシビル(Valcivir)1000mg
性器ヘルペス(GH)の『再発抑制治療・療法』について
性器ヘルペスは再発頻度が高く、年に10回以上の再発ともなると
日常生活やパートナーとの付き合いに支障が出てきます。
有難いことに、2006年から性器ヘルペス(GH)の
再発抑制治療・再発抑制療法が承認され保険適用となりました。
再生抑制療法は毎日薬を飲む事でウイルスの増殖を抑制し
性器ヘルペスの再発回数を減らしたり
パートナーへの感染率を低下させる効果があります。
目安として再発回数が年に6回以上の方が対象となり
前述した、バルトレックスやバルシビルを予防投与する方法と
ほぼ同様の内容ですが、こちらは医師の指導の下で安全に行う事が出来ます。
因みに再生抑制療法でも、ウイルスを完全に除去する事は出来ず
服用を停止すれば、また再発を繰り返す様になります
また、パートナーへの感染も完全に防げる訳ではなく
コンドームなどの併用で安全性を高めることを推奨しています。
まとめ
口唇ヘルペスと性器ヘルペスの再発頻度についてまとめてみましたが
性器ヘルペスは年に1~2回再発する方が多いため
市販薬の使用期限に注意が必要になり
性器ヘルペスは口唇ヘルペスよりも再発頻度が高い上に
市販薬での治療が出来ず、予防と治療はヘルペス内服薬に頼る必要があります。
性器ヘルペスの再発頻度を考えると、リジンサプリメントの服用と
バルトレックスやバルシビルによる予防投与の併用が
現在出来る最良の予防法と言えるでしょうか。
口唇ヘルペスでも性器ヘルペスでも
病院で診察を受けるまでに掛る、数時間でも症状が進んでしまうので
可能な限り自分で対応できる手段を見つけておいても損はありません。