口唇ヘルペスや性器ヘルペスなどの単純ヘルペスは、第1類医薬品として薬局で購入できるヘルペス市販薬や病院で薦められる処方薬を使って治療するのが一般的です。
症状の重さや患部の範囲によって、外用薬と内服薬の二種類が使いわけられますが、数年前にアメリカで登場したLLLT(Low Level Laser Therapy)と呼ばれる低レベルレーザー治療が、薬を使用しない新たなヘルペス治療法として注目を集めています。
発端は2015年にアメリカで販売が開始された“ViruLite”と言うヘルペス治療機器で、日本の厚生労働省にあたる、FDA(アメリカ食品医薬品局)の承認を店頭販売されているデバイスとして唯一クリアした画期的な製品です。
“ViruLite”という名前はvirus(ウイルス)とlite(ライト)を組み合わせた造語でカタカナ読みではヴィルライトになりますが、ネイティブな発音を確認してみるとヴァイルライトかバイルライトが一番近い印象です。
販売元はカリフォルニアにあるVirulite LLCと言う会社で、ViruLiteの正式な名前は”Virulite Cold Sore Treatment Device”です。2015年にトップ画像のViruLiteが登場し、翌年の2016年には使い捨てタイプがリリースされたそうですが、残念ながらこちらの情報は公式HPでも確認できませんでした。
低レベルレーザー治療のみで単純ヘルペスを治療出来る上に、薬よりも効果が高いとあっては、私を含む日々ヘルペスの再発に悩む方々にとって、是が非でも詳細が知りたくなる魅惑のデバイスです。
レーザーを使ったデバイスでは、レーザー脱毛器やレーザー美顔器など値段の割に効果が眉唾な製品も多く、嫌でも警戒感が先に立ってしまいますが、今回は注目のヘルペス治療機器”ViruLite/ヴィルライト”のしくみや使い方、アメリカでの評価や入手方法などを可能な限り調べてみたいと思います。
期待のヘルペス治療器”ViruLite/ヴィルライト”の詳細
私が初めてViruLiteを知った時に最初に思ったのは、単純に『どうして光を当てるだけでヘルペスが治るんだろう?』でした。冒頭でも触れたLLLTと呼ばれる低レベルレーザー治療は他の医療分野でも使われている治療法ですが、信頼できる情報から概要を引用すると以下の様になります。
出力の低いレーザー光線を生体組織に照射し、創傷治療の促進、血流改善、疼通緩和、神経賦活等の効果を得る目的で臨床応用されている。
~中略~
「低反応レベルレーザー治療 LLLT」は細胞破壊を伴なわない非熱的な光化学作用による生体刺激の反応から治療効果を得ようとするものである。
う~ん、わかったようなわからないような…取り合えずあやしげな理屈では無さそうです。
レーザーと言ってもViruLiteのLEDから発せられる光は肉眼では見えない”近赤外線”と呼ばれる赤外線の一種で波長は1072ナノメートルです、さらに波長が1200~1400ナノメートルに達するとキッチン家電でよく聞く”遠赤外線”という扱いになります。
因みに、同じLLLTでも波長によって組織へ浸透する深さが異なり、700ナノメートル以下では皮膚の表面組織にしか光が浸透しません。深い部分まで浸透するにはそれなりの数値が必要になり、波長が30ナノメートル異なっただけでも、望んだ効果が発揮されないことがあるそうです。
“ViruLite/ヴィルライト”の評価
現時点では日本国内で販売されおらず、実際の使用感について知る術がありませんので、参考として本家アメリカのアマゾンでレビューを確認してみました。
評価は星5つが全体の65%、星1つが15%と家電製品の評価でよく見られるバスタブ曲線状で、サクラを利用して不自然に評価を釣り上げた様な内容はうかがえませんでした。発売から約三年が経過していますし、ごく真っ当に評価されている印象です。
高評価も低評価も『効果があった』『全く効果がなかった』『故障した』といったお決まりの内容が殆どでしたが、低評価の中には『役立たずな懐中電灯』といった笑える意見や『この会社はプラシーボ効果を販売している』などの辛辣な意見もありました。
因みに、ViruLiteは臨床試験時に外観が全く同じ”1072nm発光ダイオードデバイス”と”プラシーボな偽光線デバイス”を使って2つのグループを比較していますが、1072nm発光ダイオードデバイスの方にだけ、治癒時間の減少が確認できたそうです。
“ViruLite/ヴィルライト”の使い方
さて、ViruLiteの使用方法は至ってシンプルです。一日に3回、4時間おきに使用し、1回につきレーザーを2分間患部に照射して保持します。後はその治療サイクルを二日間続けるだけで治療は終了です。
ヘルペス市販薬のクリームや軟膏を併用する事は禁止されていませんが、前述した組織への光浸透を阻害する可能性があるので、使うならバルトレックス/Valtrexなどのヘルペス内服薬が向いています。
因みに、バッテリーには今どき珍しい9V形のボックス電池が使用され、外部にはUSBなどの充電用の端子が一切見当たらない作りです。
バルトレックス(Valtrex)1000mg
“ViruLite/ヴィルライト”の特徴と効果
単純ヘルペスの治療に薬を一切使用しないのがViruLiteの最大の特徴ですが、実際の効果や利点についてまとめると以下の様になります。
- 副作用や有害な薬物相互作用が無い
- ヘルペス市販薬や処方薬を必要としない
- 使い方が単純で最低でも500回使用できる
- 熱を感じない自然な光を使用している
- 2回の治療サイクルしか必要としない
- アクチビア軟膏(アシクロビル)と比べて治癒時間が半分
- 局所免疫反応を促進し再発予防にも効果がある
- 痛みを伴う灼熱感やかゆみを緩和できる
- 患部の瘢痕化を予防し傷跡が残りずらい
- 水疱(ブリスター)だけでなく、うずきの初期段階でも効果がある
書けば書くほど、コレ本当?と疑いたくなるくらいの内容ですが、多少の誇張があったとしても臨床試験を経てFDAに承認されている時点で十分に信頼に値するデバイスだと思います。
シンプルに使えるデバイス単体だけで治療行為が完結し、クリームや軟膏などの目立つ塗り薬やパッチを使う必要が全くありませんし、低レベルレーザーを照射さえ出来れば患部も選びません。
アシクロビルが主成分のアクチビア軟膏の半分ほどで治癒できるので、目立ちやすい口唇ヘルペスを出来るだけ早く治したい方に打って付けですが、個人的に効果の高いビダラビンが主成分のアラセナSと比較した結果が気になるところでしょうか。
“ViruLite/ヴィルライト”を購入する方法
単純ヘルペスを治療する上で、ここまで利点が多いのなら是非ともViruLiteを試してみたくなります。ですが現時点で日本国内では正規の取扱いがなく、気軽に手に入れるには並行輸入品を頼る事になります。
アメリカでの実売価格は100ドル程でレーザー関連の医療機器の割にそれほど高額ではありません、ですがこれを並行輸入品として購入すると一気に価格が跳ね上がり、安くても2倍程度の出費を覚悟しなければなりません。因みにebayで新品を購入しても似たり寄ったりな価格になります。
誰もが『他にもっと安く買える方法はないの?』と思うでしょうが、実はViruLiteの公式HPから購入することができ、日本への発送にも対応しています。
価格は89ドルで、これに現地の税金が加わり96ドル程になります。さらに日本への送料は1個注文の場合で25ドルまたは48ドルと配送方法によって送料が異なります。
価格を優先した場合、送料込みで価格は120ドル程になり1ドル110円のレートで換算するとViruLiteを13000円ちょっとで購入できることになります。
また、16666円以下で個人輸入の場合なら医療機器には関税が掛からず、8%の国内消費税も恐らく不要です。
当然、公式HPでの情報入力は全て英語で行いますが、海外通販の利用方法や住所の記述方法はネット上で調べれば幾らでも解説されているのでそれほど難しくありません。
唯一の難点はクレジットカード払いでPayPalが使えないことでしょうか?カード情報の入力に抵抗がある方はプリペイド式クレジットカードのVプリカを利用しましょう。
まとめ
大期待のヘルぺス治療機器”ViruLite/ヴィルライト”の情報を可能な限りまとめてみましたが、私を含めてヘルペス持ちの方なら間違いなく興味をそそられるデバイスです。患部を選ばず薬も一切使用しない単純ヘルペスの治療法なので、小さなお子さんや薬物アレルギーの方は是非一度試してみてはいかがでしょう?
将来的に国内でも気軽に購入できれば良いのですが、今は公式HPで注文するのがベストな方法だと思います。一応国内のアマゾンでも取扱いがありますが…こちらは財力に余裕があり、面倒な手続きが苦手な方が利用するための物だと割り切って考えましょう。